これまでも幾多の入浴剤を開発してきた研究・開発チームだが、湯に溶かした入浴剤の色を決定するのは、毎回頭を悩ませる仕事である。なぜなら「色」の好み、良し悪しには、科学的な研究の蓄積に加え、人間の感性が大きく影響するからだ。そして人間の感性には「正解」といえるものがない。どのような色にするか、正解のない答えを探す作業が始まった。
入浴剤の色は、実際の天然温泉の色を再現するわけではない。しかし、イメージとして名湯と言われる温泉、温泉地のロケーションを発想の原点にしている。海、空の色はもちろん、温泉地そばを流れる清流、山野の植物、あるいは名産品の果物の色までもが参考にされる。それは家庭で入浴する際にも少しでも温泉で味わう転地効果を実現させたいという理由からだ。温泉の効用、それは湯の成分、泉質だけがなすものではない。たとえば温泉地の豊かな自然や静かな環境、澄んだ空気などが心身に計り知れない効果をもたらすのである。温泉地の環境にふれることで得られる転地効果である。家庭で入浴剤を使うときに、少しでも転地効果に近いものをもたらすためには、美しい湯の色と心地よい香りは不可欠なのである。 |