
温泉科学プロジェクトは温泉と入浴に関する情報を発信しています。
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| 羽田からなら新千歳空港へ1時間半。空港からは1時間と驚くほど早いアクセスで、これほど迫力のある温泉郷に行けるのは意外だ。地獄谷からあふれる「生」の温泉を夏の北国でたっぷりと浴びてきた。 |
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雄大な自然に囲まれた登別の温泉郷
(写真提供:登別観光協会) |

地獄谷看板 |

源泉が吹き出す鉄泉地獄 |
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「いい湯だな」の歌詞で、誰もが知っている登別の湯。有名だが温泉郷そのものは案外とこぢんまりとした印象があるのは、あまりにも雄大な大自然に囲まれているためだろう。しかしもちろん宿泊施設はどこも温泉浴に重点を置いて充実している。
さて、硫黄の匂いを感じながら温泉街の少し先、森を抜けて地獄谷へ行ってみる。
歩いて10分ほどでその名の通りの光景が間近に迫る。遊歩道のすぐ先に白煙りが上がり、山すそは硫黄で黄色く染まっている。遊歩道の奥には噴出温度90℃という源泉が一定周期で吹き出す間欠泉の「鉄泉地獄」が柵に囲まれている。見ているとこわいくらいだが、これぞ本物の温泉地だという思いが強くなる。 |
登別温泉の一番の特長は、一帯に11種類の泉質の源泉がわき出していることだ。
その種類は登別観光協会によると、硫黄泉、食塩泉、明ばん泉、芒硝(ぼうしょう)泉、石膏泉、苦味(くみ)泉、緑ばん泉、鉄泉、酸性泉、放射能泉、重曹泉となっている。まさに「温泉のデパート」といったところだ。ここから温度45〜90℃のお湯が1日に1万トン以上もわき出しているというから、循環や加熱の必要のない「熱い生の湯」を存分に浴びることができるわけだ。
まずは街の共同浴場へ行ってみる。温泉銭湯「夢元(ゆもと)さぎり湯」には硫黄泉と明ばん泉の2つの浴槽があり、地元の人たちはもちろん近隣の町や宿泊客もわざわざ入りに来ていて昼間からにぎわっている。地元温泉郷の情緒がじっくりと味わえる場所だ。 |

温泉銭湯「夢元さぎり湯」
手前が明ばん泉で奥が硫黄泉 |

地元の温泉郷では赤鬼青鬼の
銅像が迎えてくれる |
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滝本館の展望風呂 |
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宿泊した第一滝本館は創業から140年の老舗。一番の魅力はこの宿だけで7種類の源泉を楽しむことができることだろう。それぞれに独自の命名がしてある。癒しの湯、きずの湯、熱の湯、万病の湯、美人の湯、鬼の湯、美肌の湯といった具合だ。なるほど湯の色も湯の温度もさまざまなのが分かる。うれしさのあまり片っ端から入りたくなるが、「きく」温泉だけに「適応」と「禁忌」がはっきりとしており、入り方にも気を配るようていねいに説明がなされている。 |
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7種類の温泉を楽しめる大浴場 |

第一滝本館 |
そして、より効果的に入浴できるように浴槽の形態もいろいろある。かけ湯、寝湯、歩行湯、うたせ湯、サウナ風呂、蒸気風呂、気泡風呂、ひのき風呂とあり、露天風呂も含めて浴槽は男女合計30を数え、どれも豊富な湯であふれている。それらが面積が約1500坪という大浴場に点在しているのだ。
そうした中で例えば、美肌の湯は登別の代表的な泉質の硫黄泉の一種で、露天風呂や寝湯に使われている。肌がなめらかになるのは無論実感できたが、特に寝湯は37℃前後の湯に仰向けに寝ることで、驚くほど気持ちがほぐれていくのが感じられた。一方、鬼の湯はとても温度が高い食塩泉が、ひのきの浴槽からあふれている。ちょっとつかると何か体内の良からぬものが出ていく感じがして、湯上がりは体が軽くスッキリとなった。
温泉の良さは「入ってみなければ分からない」ものだ。温泉で元気になりたいと考えている人は、きっと登別温泉の11種類の湯にはまりこむだろう。 |
| 恥ずかしいことだが「登別に取材に行って」と言われて「何日かかるのか?」と心配してしまった。ところがいざ行ってみると、千歳空港から1時間。飛行機の移動等もろもろいれても2時間半もあれば東京から到着する。東京近郊の温泉地へでかけるのとほとんど変わらない。混雑やラッシュに巻き込まれない分、かえって気楽だし、転地効果も満喫できる。これぞ温泉行きの醍醐味というものを、初回から味わった。 |
| (取材:岩間靖典) |
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